アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜

タイムトラベルイメージ画像

毎日が同じことの繰り返しに感じて、ふとため息をついてしまうことってありますよね。そんな心が疲れてしまった夜に、私が決まって観たくなるのがこの温かい作品です。
タイムトラベルという不思議な設定に惹かれて観始めたのが、この映画との出会いでした。

不器用な青年が恋をして、家族を持ち、静かに人生を歩んでいくというありふれた日常。
その何気ない一日がどれほど愛おしいものか、優しく温かい視点で教えてくれるんです。

観終わった後は、いつも見ている普通の景色が、少しだけキラキラと輝いて見えるはず。温かいお茶でも飲みながら、家族の深い絆にゆっくりと浸っていただきたい大切な一本です。

タイムトラベルが教えてくれる日常の輝き

この物語の主人公ティムは、暗い場所で念じると過去に戻れる不思議な能力を持っています。
代々この家の男たちにだけ受け継がれてきたという、ちょっとおかしな秘密の設定です。彼はその能力を使い、一目惚れしたメアリーとの恋を叶えようと懸命に奮闘するのです。

不器用なタイムトラベルで起きるドタバタ劇は、クスッと笑えて心がじんわり和むんですよね。
でも彼はやがて過去をやり直すことの本当の意味に、ゆっくりと深く気づいていくことになります。どんなに平凡な瞬間にも、二度とはこないかけがえのない喜びが隠れているという事実。

大雨で台無しに見える結婚式でさえ、彼らにとっては最高に幸せな思い出に変わるのです。
完璧な一日なんてなくても、笑顔で乗り切る家族の姿にどうしても胸が熱くなるはず。目の前にある今日を丁寧に生きることの素晴らしさを、そっと優しく伝えてくれます。

不器用で温かい父と息子の絆に涙する

この作品のもう一つの魅力は、ティムと彼のお父さんの何気ないやり取りの数々です。いつも飄々としているお父さんですが、息子に向ける眼差しはどこまでも優しいんですよね。
休日に二人で卓球を楽しんだり、海辺をのんびり散歩したりする風景がとても印象に残ります。

特別な言葉を交わさなくても、お互いを心から大切に想っていることが画面から伝わってくるはず。物語の後半で訪れる避けられない別れの場面は、何度観てもたまらず涙腺が崩壊してしまうのです。
お父さんが息子に授けた人生を豊かにする秘訣は、とてもささやかで温かいアドバイスでした。

愛情あふれる別れのシーンは、悲しいだけでなく心が洗われるような清々しさです。家族と過ごすありふれた時間が、どれほど貴重なものなのかを痛いほど感じさせてくれます。

今日という日を二度目だと思って生きる魔法

お父さんの教えを守りながら、ティムはついにタイムトラベルを使わない生き方を選び取ります。
それは「普通の一日を未来から戻ってやり直しているつもりで味わう」という素敵な方法。いつもならイライラする仕事のトラブルや、店員の素っ気ない態度も少し違って見えてきます。

ちょっとした視点の変化で、退屈だったはずの日常が驚くほどキラキラと輝き始めるんですよね。おばちゃん世代も、毎日同じようにご飯を作って洗濯して、あっという間に一日が終わります。
でもそんな何気ない日常の中にこそ、家族との愛おしい時間がたくさん詰まっているのです。

観た後は、寝顔を見る瞬間や一緒にお茶をすする時間は、本当に大切なんだと改めて気付かされました。
明日からの一日を、少し胸を張って笑顔で生きていこうと思わせてくれる珠玉の名作ですよ。