DADDY
作品の内容
「DADDY」は、子どもたちに人気のテレビ番組「ニッチ・スケッチ・しんのすけっち☆」のスタッフ、中村こーすけが主人公の、ファミリー向けのミュージカルだ。
こーすけは仕事にも熱心ではなく、子どもたちの童謡を嫌っている一方で、自身の父親の思い出に苦しんでいた。ある日、未来から迷子の少年に出会ったことをきっかけに、こーすけは童謡の世界へと引き込まれていく。
そこで出会ったのは、絵本のキャラクター「こぶたのブルトン」「ショコラちゃん」などで、それぞれに個性的な性格を持つ仲間たち。彼らとの冒険を通して、こーすけは自身の父親との関係性に向き合い、子どもとの絆の大切さを学んでいく。
音楽は、童謡を中心に構成されており、中川ひろたかと新沢としひこによる楽曲が使用されている。子どもたちに馴染み深い曲が随所に登場し、ファミリー向けの作品としての雰囲気を醸し出している。
一方で、こーすけの父親の死や、結婚していないのに子どもができるといった、大人向けのテーマも織り交ぜられている。子どもだけでなく、大人も楽しめる要素が盛り込まれた、バランスの取れた作品となっている。
豪華キャストが魅せる
主演を務めるのは、ジャニーズJr.の中村嶺亜だ。彼は、仕事にも熱心ではない、ちょっとダメな雰囲気のADこーすけを演じている。
嶺亜は、この作品で歌唱力の高さを発揮している。特に2幕の「パパの歌なんて歌えない」では、父親の死に向き合うこーすけの心情を、力強い歌声で表現している。観客を引き込む圧倒的なパフォーマンスだった。
また、こーすけの未来の子供役として小山十輝も出演。ジャニーズJr.ならではの可愛らしさと歌唱力を発揮し、こーすけとの絆を生み出している。
そのほかにも、大和田美帆、川久保拓司、玉置孝匡といった実力派の俳優陣が、絵本キャラクターたちを演じている。それぞれが個性的な演技で、子どもたちの人気者として存在感を放っている。
そして、ミュージカルの見所の一つが、横山だいすけの出演だ。子どもたちに慕われる「だいすけお兄さん」として、作品に安心感と信頼感を与えている。歌唱力の高さも相まって、ファミリー向けのミュージカルにふさわしい存在感を放っている。
子どもも大人も楽しめる感動のファミリーミュージカル
「DADDY」は、ファミリー向けのミュージカルながら、大人にも響く要素が盛り込まれた作品だ。
子どもたちに人気の絵本キャラクターが登場し、馴染み深い童謡が随所に使われることで、子どもたちにも十分に楽しめる内容となっている。キャラクターたちの愉快な活躍や、明るく前向きなメッセージは、子どもの心を掴むだろう。
一方で、主人公こーすけの父親との関係性や、結婚していないのに子どもができるといった、大人向けのテーマも扱われている。こうした要素は、大人の観客にも共感を呼び起こすはずだ。
中でも印象的だったのが、「パパの歌なんて歌えない」のシーン。こーすけが自身の父親の思い出に向き合う場面では、中村嶺亜の圧倒的な歌唱力と演技力が光っていた。観客を引き込む圧巻のパフォーマンスだった。
また、横山だいすけの出演も見逃せない。子どもたちに慕われる「だいすけお兄さん」として、作品に安心感と信頼感を与えている。歌唱力の高さも相まって、ファミリー向けのミュージカルにふさわしい存在感を放っている。
全体として、子どもも大人も楽しめる、バランスの取れた作品だと感じた。子どもたちにとっては、馴染み深い童謡や愉快なキャラクターたちが登場する楽しい体験になるだろう。一方の大人にとっては、こーすけの成長を通して、子育ての大切さを考えさせられる機会になるのではないだろうか。
ファミリー向けのミュージカルとしては、申し分のない出来栄えだと言えるだろう。子どもも大人も、心温まる感動を味わえる作品だと思う。