グリーンブック

道路

実話をもとに天才黒人ピアニストとイタリア系用心棒の最南部への演奏ツアーの様子を描くロードムービー。
人種問題を扱いつつも、ヒューマンコメディに仕上がった作品です。
何度もリピートしたくなるグリーンブックについて紹介します。

グリーンブックのあらすじ

ナイトクラブの用心棒をしていたトニー(ヴィゴ・モーテンセン)は、ひょんなことから天才ピアニストのシャーリー(マハーシャラ・アリ)の運転主兼ボディガードとしてツアーに同行することに。
シャーリーがツアー先に選んだのは、黒人差別がまだまだ残るアメリカ最南部。この旅を通して二人は次第に友情を深めていくという内容です。
タイトルのグリーンブックは黒人旅行用ガイドブックのことです。
フランス映画の名作「最強のふたり」のように、白人と黒人のコンビが最高。価値観や育った環境が違う二人がお互いを認め合い、友情を育んでいく姿は泣けます。
終盤のシャーリーのクラブでの演奏シーンは心を揺さぶられるはずです。

トニーはその後俳優になった

実話ベースのこの映画、運転主兼ボディガードのトニー・バレンガはこの作中のエピソードのあと、俳優として映画界に活動するようになったそうです。
ほとんど目だった役ではなかったのですが、ゴッドファーザーにも出演し、それがデビュー作だったとか。
彼の息子であるニック・バレンガも父の後を追って、監督・俳優・プロデューサーとして映画界で活動。このニック・バレンガが父親とシャーリーの交流を映画化したいと熱望し、脚本・製作を担当しました。
つまり家族の伝記映画ということですね。

グリーンブックの感想

コメディ、ロードムービー、バディムービー、人種問題、人間ドラマをミックスさせた娯楽性と感動とカッコよさ溢れる完成度の高い作品です。
腹を抱えて笑うタイプではありませんが、小さな笑いが連発するタイプの映画ですが、コメディ映画でくくるのはもったいないと感じます。
それよりもストーリが素晴らしく、粗野で下品な白人と上品で金持ちの黒人ミュージシャンという対比による二人の成長と友情の物語が素晴らしいですね。
年齢を重ねると、価値観が凝り固まってしまいがちですが、偏見は邪魔なだけです。いくつになっても互いに認め合えば、友達になれるんだと実感できます。
シャーリー役のマハーシャラ・アリはカッコよかったです。背が高くてスリムで何を着ても決まります。キックスやムーンライトにも出演しているそうなので、見てみたいと思いました。